[[PKM]]、ブログの執筆、日報や週報の作成などライティング全般で[[AI]]を使うことについて思うことをつらつらと。
## [[PKM]]のメインコンテンツはAIを使うメリットがない
[[PKM]]の目的は大きく2つある。
- 必要なときに後から情報を引き出せる情報網をつくること
- 情報を整理・記録することで自身の脳に定着させること
前者の目的だけならまあ分かる。全文検索なりなんなりで後から検索して引っかかるようになっているなら目的は達成できる。一方で後者の目的は、[[AI]]にゆだねてしまっては達成できないと思う。
なんだかんだ、人生でいきてくるモノというのは、自分で考えながら葛藤を超えて得た知識や経験であることが多いと思っている。不要な苦労をする必要はないが、必要な苦労は何事にも代えがたい見返りをくれる。
そのような機会をみすみす手放してしまったら、少なくとも自分は[[PKM]]を続けないだろう。都度[[ChatGPT]]に聞けば十分なのだから。
一方で、サブコンテンツ (タグ、[[フロントマター]]、[[OGP]]など) に[[AI]]を使うのはアリだと思っている。どうしても自分だけの力では **必要なときに後から情報を引き出せる** という条件を満たすのは難しい。自分では気づかなかったが、自分や...そしてできれば他者がそれを引き出せるような糸口を作り出すことは価値あることだ。
[[🦉Carnelian]]では `Summarize Description` というコマンドを作成しているが、たとえば[[Troubleshooting note]]の [[descriptionプロパティ (Obsidian)|descriptionプロパティ]] は以下のようなプロンプトにしている。
```
以下の要件で本文を150文字以下で要約して。
- OGPのdescriptionとして使う文章を想定しているので以下2点を意識して
- titleに含まれないけど検索されそうなキーワードは優先して入れて
- ただし、文章として意味が成立するようにして(単語の羅列のみは禁止)
- 本文に記載されていない内容を推測するのは禁止
- 『で・ある調』にして
- 検索されそうなエラーメッセージがあれば優先して入れて
- エラーメッセージはlangにerrorと指定されたコードブロックに記載されていることが多い
- たまにlangがconsoleのコードブロックになることもある
- HTMLの中にあることはほぼない
- 150文字に収まらなくても250文字くらいまでなら許容
- 要約の優先度は以下の順
1. 事象の補足
- 『環境』セクションの内容は再現環境
- タイトルと重複する説明は不要
2. 原因
3. 解決方法
```
## ブログの執筆にはAIを使いたくない
ブログも似たようなものだ。
[[Minerva]]の[[📒Articles]]では (というかほぼ全てのコンテンツは) 文章作成に[[AI]]を使っていないが、これは自分が[[📒Articles]]を書く目的が **物語を奏でつつ感情に訴え、誰かの役にも立つ文章を伝えたい** というものだからだ。誰にも読まれないのは寂しいが、逆にバズってほしくないというのもある。分かる人だけに伝わってほしいからだ。
逆に、記事を如何に素早く執筆するか、如何にバズらせるか、というのが目的であるなら[[AI]]を使ったほうがいいだろう。そのような目的を持っている人たちに対して、執筆のアンチAIを掲げる理由など1つもない。[[AI]]が執筆した記事ばかり目につくことに思うことがないわけではないが、それこそお門違いというものである。
## 週報はAIを使わないほうがいい
よく『週報をAIでもれなく楽々』っていうフレーズ見るけど、個人的には反対。実際に試してみて肌に合わなかった。(しかも3ヶ月おきに試して今回5回目)
前提として、普段ちゃんと日報を書いていること。日報をちゃんと書いていると、週報は日報をマージして色をつけたものになる。[[AI]]が得意そうな分野ではあるのだけど、個々の事象に対する価値の指標を[[AI]]は持ち合わせていないし、状況によってそれらの変化を読み取るのも理論的にキツイと思う。
日報が整理されていれば、それらから週報を書く作業はそんなに大変じゃないし、読むよりは書く・考える方が脳内の記憶も残るので、今週の仕事がしやすくなる。[[Minerva]]の[[📰Weekly Report]]も脳の定着や自己肯定感アップのためにやっている。
週報の内容は月報にも使うし、月報はクォーターごとの評価としても使う。日報 -> 週報 -> 月報 の順に解像度が荒くなっていき、具体的なものは重要なものだけになる。この前提で普段作業をしているから迷いなく進められる。
それを[[AI]]にまかせてしまうと、**[[AI]]が私にとって重要なものをスルーすることが結構あり、都度『AIが見落としていた実は重要な成果があるかも...』と心のどこかで思ってしまい、非常に集中力や生産性がダウンする**。これが一番のデメリットだった。
日報と週報のフォーマットは決めているので、指定範囲の日報を取得してきて、それを週報形式にマージするスクリプトを書くのがベターだろう。構造化されていない文章部分に関しては、かき集めた後でAIに要約してもらうのはアリ。
日報すら書いていないのであればAIに頼ったほうがいいかも。0やマイナスがプラスになるだけなら失うものはなにもない。