[[📒Articles]] > [[📒2024 Articles]] ![[2024-03-01.webp|cover-picture]] このたび、15年間使っていた[[Twitter]]/[[𝕏]]の利用をやめ、[[Bluesky]]で活動していくことをここに宣誓します。少なくとも現時点では、マルチポストも含めて、今後[[Twitter]]に投稿することはないでしょう。この記事の共有が最後の[[ツイート]]になります。 せっかくなので、15年の時を遡って[[Twitter]]とどのように付き合ってきたか、なにが[[Bluesky]]への移行の決め手となったのかを書き記してみることにしました。 > [!attention] > [[Bluesky]]の良し悪しだけを知りたい方は [[#Blueskyを試してみる]] からご覧ください。 ## 短文投稿サービスのはじまり [[Twitter]]が日本で開始されたのは2008年です。私が[[Twitter]]をはじめたのは翌年の2009年であり、最近メインで使っているアカウントとは別のアカウントを使っていました。数年ぶりに以前のアカウントを確認したところ、ツイート数は3～4万であり、最近まで利用していたアカウントの3倍にも及んでいました。 **『横浜なう』** 今でこそ、炎上や安全面を考慮しなければならず、むやみに[[ツイート]]することは憚られるようになりました... が、当時は移動しただけでいちいち呟いていたものです。最近ではすっかり聞かなくなった『●●なう』はその代表格でしょう。当時はそこまでユーザーも多くなかったため、身内が今どの辺にいるかを能動的に確認するため[[Twitter]]を使っていた気がします。 知人の中にはある番組の開始前になると、出先でもおもむろに小型PCを取り出し、1分間に20ツイートくらいしている猛者もいました。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://www2.nhk.or.jp/favicon.ico" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">クッキンアイドル　アイ！　マイ！　まいん！｜番組｜NHKアーカイブス</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">クッキンアイドル　アイ！　マイ！　まいん！｜番組｜NHKアーカイブス</p> <p class="link-card-description">アニメと実写で楽しく料理の魅力を知ってもらう子ども対象の食育・料理番組。架空のテレビ局を舞台に、ひょんなことから料理番組の司会を務めることになった主人公「まいん」が大活躍。</p> </div> <img src="https://www.nhk.or.jp/das/image/D0009042/D0009042270_00000_S_001.jpg" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009042270_00000"></a> </div> 今思えば (当時も思っていましたが...)、スマホも流行っていなかったこの時代によくやっていたなぁ...という気持ちです。 ## Twitterの何が好きだったのか [[Twitter]]の登場前の主なやりとりはメールでした。不特定多数とやりとりするものとしては、Mixiや掲示板、メーリングリストが代表格だったと思います。しかし、それらのサービスは発信したあとにリアクションがないと無視された気持ちになってしまう...というデメリットがありました。 [[Twitter]]はただのつぶやきであるため、無視されるのが当たり前... リアクションがあったらボーナス...みたいな温度感が私のようなタイプの人にはウケたのだと思います。[[Facebook]]や[[Instagram]]が肌にあわなかったのも似たような理由でしょう。他人の投稿にリアクションしなければいけない強迫観念みたいなものも感じていましたし、そのようにつけられたリアクションには価値を感じられませんでした。 なお、最初に使っていたアカウントは2019年を最後に実質凍結しています。新型コロナウィルスの影響や年代的な理由によって、休日の過ごし方が大きく変わったせいだと思います。 ## メインアカウントの変更 最近まで私がメインで活動していたアカウントは [tadashi-aikawa@Tadashi_MAMAN] です。アカウントの作成日は2012年12月。作成のきっかけはもう思い出せません...が、当時は技術的なツイート専用のアカウントという位置づけで開設していました。1つ前に紹介したアカウントではリアルの関係(友人など)をフォローしていましたが、このアカウントでは技術的に関わりがある方々をフォローしていました。ほとんどの人はお会いしたこともお話ししたこともありませんでした。当初は。 当時主に発信していたのは[[MAMANのITブログ]]の更新情報です。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://avatars1.githubusercontent.com/u/9500018?s=460&v=4" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">MAMANのITブログ</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">MAMANのITブログ</p> <p class="link-card-description">Webエンジニアによる エンジニアリング/業務効率化/ガジェット に関するブログ</p> </div> <img src="https://avatars1.githubusercontent.com/u/9500018?s=460&v=4" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://blog.mamansoft.net/"></a> </div> 2022年に運用を凍結しましたが、2012年から約10年間運営していました。[[Minerva]]ができる前は、[[📕tadashi-aikawa]]が発信していたメインメディアと言えるでしょう。 他にも、技術的な記事や感想を共有したり、[[GitHub]]で開発しているツールのリリース情報などをツイートしていました。ただ、当時は[[GitHub]]のスターもほとんどついていなかったので、ほとんど自己満足のような投稿でした。 ## コロナのパンデミック、そしてObsidianとの出会い 2012年から8年間、マルチアカウントで過ごしつつ、遂には2020年を迎えます。 まずは新型コロナウィルスにより生活様態の激変。普段[[Twitter]]の旧アカウントでやりとりしていたコミュニティの人たちとは、このイベントを通じて疎遠になります。半年に1回私が主催していたイベントの終了を余儀なくされたというのが非常に大きかったとは思いますが、各々の家庭環境の変化なども一因にはなっていたと思います。 外出や会食が困難になると、必然的にはインドア活動の割合が増えます。私の場合はクリエイティブ活動... 具体的にはインターネット上でのやりとりです。[[Twitter]]はその代表格であったものの、この頃はさほどでもありませんでした。決定打は[[Obsidian]]との出会いです。 2020年の年末に私は[[Obsidian]]と巡り合いました。コロナと[[Obsidian]]は一見して何も関係ないように思えますが、実は非常に強く繋がっています。というのも、[[Obsidian]]は**時間を持て余したコロナの隔離期間を使って誕生したツールである**からです。共同設立者の1人である[[👤Erica]]氏はインタビューでそう答えています。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://nesslabs.com/wp-content/uploads/2018/09/cropped-favicon-ness-32x32.png" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">Ness Labs</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <div> <p class="link-card-title">Exploring the power of note-making with the co-founder of Obsidian</p> </div> <div class="link-card-description"> In this interview, we talked about the power of customizing your note-taking environment, note-takin... </div> </div> <img src="https://nesslabs.com/wp-content/uploads/2021/08/obsidian-featured-tool-banner.png" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://nesslabs.com/obsidian-featured-tool"></a> </div> > During quarantine in 2020, we got really bored and finally started working on it. I made a list of boxes that must be checked by my holy grail note-taking app. That list gradually became Obsidian as it is today. ## Obsidianがもたらした変化 [[Obsidian]]は私の[[SNS]]活動に大きく2つの変化をもたらしました。 ### GitHubのIssueでやりとりする機会が増えた 当時の[[Obsidian]]はバージョン0.10.0が出たばかり。v1.0が出たのは、それから2年近く後の話になります。つまり、当時は今よりも[[Obsidian]]の知名度は圧倒的に低かったと思います。 そんな中、私は[[Obsidianプラグイン]]を開発する機会に恵まれました。中でも、[[🦉Various Complements]]と[[🦉Another Quick Switcher]]には100以上の★がつきました。今日までに約450ものIssueが作成されています。それまで[[GitHub]]のIssuesをほぼ使ったことのなかった私にとっては転換期でした。 皆に使ってもらえるモノを活発に開発すると、情報発信手段が必要になります。[[GitHub]]のリリースページや[[Discord]]でも周知はしていましたが、より広い人に知ってもらうため[[Twitter]]でも同様の発信を行っていました。こうして [tadashi-aikawa@Tadashi_MAMAN]のアカウントは発信機会が増えました。 これを契機に旧[[Twitter]]アカウントの運営は凍結することにして、[tadashi-aikawa@Tadashi_MAMAN]一本で運営していくことにしました。2022年の話です。 ### フォロワーが増えた [[Obsidian]]のことを発信するようになってから、今まであまり関わりのなかった筋のフォロワーが増えました。いわゆる知的生産性界隈の方々です。ただ、[[Obsidian]]は[[Vimmer]]にも優しいエディタであるので、エンジニア界隈の方々にもフォローされるようになりました。当時は2桁だったフォロワーも気づけば500を超えていました。200を超えたあたりから把握できないようになりました。 ## Twitter社買収、有料化 そんな中、[[Twitter]]の根底を覆すような大事件が起きます。イーロン・マスク氏による[[Twitter]]社の買収です。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://www.manegy.com/favicon.ico" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">Manegy[マネジー]</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">イーロン・マスク氏のTwitter買収までの経緯と改革のまとめ</p> <p class="link-card-description">マネジー | イーロン・マスク氏のTwitter買収までの経緯と改革のまとめページ | マネジーとは</p> </div> <img src="https://www.manegy.com/img/common/Manegy_OGP01_1200x628.jpg" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://www.manegy.com/news/detail/7103/"></a> </div> はじめに断っておくと、私が[[Twitter]]をやめることにした理由とこの件は直接関係ありません。イーロン・マスク氏という個に対してどうこう言うつもりもありませんし、営利企業が利益を求めるのはごく自然なことだと思っています。同じエンジニアとしては、むしろ、今まで無料で使わせてもらっていたことの方が驚きでしょう。 ただし、この出来事が伏線となったことは疑いようがないと思います。 ## BlueskyとThreads 翌年の2023年。[[Twitter]]の後釜となりうる2のサービスがリリースされました。 ### Bluesky 1つ目は[[Bluesky]]。ようやく出てきました。2023年4月頃のリリースです。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://bsky.app/static/favicon-32x32.png" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">Bluesky Social</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">Bluesky</p> <p class="link-card-description">Social media as it should be. Find your community among millions of users, unleash your creativity, and have some fun again.</p> </div> <img src="https://bsky.app/static/social-card-default-gradient.png" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://bsky.app/"></a> </div> ただ、以下の理由から当初は特に心が動きませんでした。 - 招待制 - [[Twitter]]のコミュニティの方が充実している限り移行メリットが少ない - モバイルやWebの対応状況がまだまだ甘い **コミュニティが小さく、エコシステムが甘い**といったところでしょうか。 ### Threads 2つ目は[[Threads]]。[[Meta]]が[[Instagram]]で培ったベースを利用して最初から大量アクセスに耐えられるような造りでリリースしたらしく、[[Bluesky]]のような制限はありませんでした。その甲斐もあってか、5日間で脅威のユーザー数1億人突破...!! <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://prebell.so-net.ne.jp/etc/designs/so_net/libs/prebell/shared/img/favicon.ico" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">PreBell</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">たった5日で登録ユーザー数1億人突破！Threads（スレッズ)とはどんなアプリ？| Prebell</p> </div> <img src="https://prebell.so-net.ne.jp/content/dam/so_net/prebell/img/202307/article_main_23073102.jpg" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://prebell.so-net.ne.jp/feature/pre_23073102.html"></a> </div> 私もアカウントを作ろうかと思いましたが、[[Threads]]のアカウント作成には[[Instagram]]への登録が必須らしいのでやめました。私は[[Instagram]]やらない派なので...。 また、数日ウォッチしていると、どうもノリが[[Facebook]]や[[Instagram]]に近いらしく、[[Twitter]]の代替を求めている私のような人間には快適でなさそうという印象も受けました。 最近はウォッチしていないのでどうかは分かりませんが。。 ## Twitter → [[𝕏]] [[Threads]]がリリースされて1ヶ月も経たないうちに衝撃のニュースが入り込みます。なんと、[[Twitter]]のサービス名を[[𝕏]]に変えるとのこと。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://www3.nhk.or.jp/news/parts16/images/favicon/favicon.ico" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">NHKニュース</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">さよなら青い鳥 ツイッターからXに どう変わる？ | NHK</p> <p class="link-card-description">【NHK】「徐々にすべての鳥とお別れする」アメリカの起業家でかつてのツイッターを買収したイーロン・マスク氏の投稿です。「鳥」とは、…</p> </div> <img src="https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230728/K10014145311_2307281735_0728173937_01_02.jpg" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230728/k10014145311000.html#:~:text=2023%E5%B9%B47%E6%9C%8824,%E8%BF%B0%E3%81%B9%E3%82%8B%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A9%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82"></a> </div> **『え !?』** これが正直な気持ちでした。10年以上も付き合いがあり、[[ツイート]]という言葉の馴染んでいた[[Twitter]]のサービス名を変えるというその意味。少なくとも、公表された理由に納得のいくものはありませんでした。 ブランドは長期継続サービスにおける強みの1つです。長年使っているとどうしても親しみがわいてくる。それが何の脈絡もなく、個人の趣味で変更されてしまうとあっては、積年の恋心も一瞬で無に還るというものです。 > なんでもアプリを目指す ついでに述べられていたこれも個人的には賛同できませんでした。[[Twitter]]はあくまで[[SNS]]がメインであってほしかった...という気持ちが今でもあります。 とはいえ... [[Twitter]]に対する不信感は増したものの、以下の理由から惰性で続けるより選択肢はありませんでした。 - 15年近く積み上げてきた[[SNS]]コミュニティがリセットされることの損失 - 代替サービスは使えない - [[Bluesky]] - 招待制のため使えない - 招待申請しても反応なし (結局最後まで反応なかった) - [[Twitter]]で知り合いから招待してもらう手もあるが、そういう状況だと人も少なそう - [[Threads]] - [[Instagram]]のアカウントが必要なうえ、ノリが違いそう - 見たくない投稿が勝手に表示されたりという話もあるらしい ([[𝕏]]もそうだったけど) - Web版がない (少なくとも当時は) ## 導かれるように立つ2つのフラグ [[𝕏]]に変わってから2024年1月までの間、私を[[Twitter]]から追い出さんとする2つのフラグが立ち始めます。 ### 勤続15年の同僚が立て続けに退職する もちろん、それ自体が[[Twitter]]と直接関係あるわけではありません。重要なのは **15年** という数字、そして退職の理由です。 > **『これまで積み上げてきたものと居心地のよい空間を捨ててまで、新しいことにチャレンジするべきか...とかなり悩んだ... が、新しくチャレンジするなら今しかないと思った。』** 長いもので、もうすぐ私も勤続14年です。なので、彼/彼女らの葛藤と決断は痛いほど身に沁みます。もちろん、そういったことを私自身が考えたこともあります。 ただ、私の場合は今日まで決断に至ったことはありませんでした。新しいコミュニティへ適応することは私が最も苦手でパワーを使う分野であり、積み重ねた信頼貯金や人間関係がゼロになってまで、新しい環境でチャレンジしたいと思える理由がなかったからです。海外の企業からメールを何回もいただいたこともありますが、苦手な英語だけで仕事をするなど考えたくもありません。 **『ん、待てよ...。ちょっと違うかもしれないけど、自分が[[Twitter]]に対して躊躇していることはこれと同じなのでは...』** 冗長構成のサーバーは片方が落ちてもサービス全断とはなりません。同様に、リアルと[[SNS]]の冗長構成があれば、たとえ片方が消えても致命傷にはならないでしょう。 ### Blueskyが招待制を廃止 年をまたいで2024年2月。ついに[[Bluesky]]の招待性が廃止されました。利用媒体も、Web/[[Android]]共に対応とのことで問題なさそうです。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://www.itmedia.co.jp/favicon.ico" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">ITmedia ビジネスオンライン</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">X代替なるかSNS「ブルースカイ」、招待制廃止で誰でも利用可能に</p> <p class="link-card-description">ツイッター（現X）の共同創業者、ジャック・ドーシー氏が開発した新たなSNS「ブルースカイ」が6日（日本時間）、従来の招待制を廃止し、誰もが登録可能になった。日本語対応も果たし、SNS上では「招待制廃止」「招待コード不要」などの言葉がトレンドに上がった。 ... </p> </div> <img src="https://image.itmedia.co.jp/business/articles/2402/07/cover_news175.jpg" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2402/07/news175.html"></a> </div> ### 霧は晴れた！ さて、私はなぜ[[Twitter]]を続けていたのでしょうか。 > - 15年近く積み上げてきた[[SNS]]コミュニティがリセットされることの損失 > - 代替サービスは使えない > - [[Bluesky]] > - 招待制のため使えない 最も大きなハードルとなっていた2つの理由は、先に述べた2つのフラグによって解消されてしまいました。 あとは『ちゃんと人がいるか?』という[[SNS]]の本質とも言える1点だけです。 ## Blueskyを試してみる [[📗最低1ヶ月は試す]]。私の性分です。[[Bluesky]]の可能性を探るため、[[Twitter]]を封印し、[[Bluesky]]に今後の[[SNS]]を賭けるだけの価値があるか... を値踏みすることにしました。  ここからは[[Bluesky]]のメリット/デメリットを書いていきます。 ## Blueskyのメリット ### 見たくない投稿を見せられることがない [[Twitter]]のように、広告ポストやなんの関係もないネガティブ[[ツイート]]を見せられることがありません。単純なことですが、これによって不用意に時間を消耗させられたり、不意にストレスを感じるリスクから解放されます。 - 見たくない広告 - レスのやりとりに乱入してくる『プロフ見て』ニキ - 商材系っぽい『私は成功者だ。お前らはカスだ。これをやれ』ニキ - まったく知らない人のスキャンダルツイート - 私刑ツイート - 絶対興味ないのに『いいね』『リツイート』してくるニキ [[Twitter]]では毎日何度も見ていたこの人(bot)たち、**[[Bluesky]]だと皆無**です。もちろんタイムラインやフィードによりますけど、それは意図したものなので。 ### カスタムフィードが超優秀 [[Bluesky]]はユーザーによって[[カスタムフィード (Bluesky)|カスタムフィード]]を作成、共有できます。この[[カスタムフィード (Bluesky)|カスタムフィード]]が滅茶苦茶優秀です。たとえば、[[Obsidian]]に関係ある投稿一覧を見たいとしましょう。 #### Twitterの場合 検索で頑張ってましたが、こんな感じで関係ない投稿が沢山出てきます。 ![[Pasted image 20240301180109.png|400x600]] アカウント名に`obsidian`が含まれる場合は除外できないので、都度アカウントをミュートする必要がありました。メンションに含まれる場合は除外できますが、検索クエリの長さに上限があるため、頻出するもの以外は無視したりミュートするしかありませんでした。 #### Blueskyの場合 [[Twitter]]の例とほぼ同じタイミング。そしてこのクオリティ。 ![[Pasted image 20240301180803.png|400x960]] [[Bluesky]]の利用ユーザーの方が、[[Obsidian]]ユーザーの割合が多いだけかもしれませんが、正直そこは関係ないです。ノイズのない[[フィード (Bluesky)|フィード]]が見られれば、そこにたどり着くまでの経路はどうでもいい。 また、`Obsidian部`は共有されている[[カスタムフィード (Bluesky)|カスタムフィード]]なので、これを追加するだけで誰もがこの[[フィード (Bluesky)|フィード]]を使えます。作成者様に感謝ですね🙏 気になる方は [こちら](https://bsky.app/profile/did:plc:to7gcmb3x7hxvrk5i266pqb5/feed/aaajcnhu5s2uw) から。 ### 無料でAPIが使える [[Twitter]]ではポスト以外の機能を利用するなら、月100ドル(1万数千円)の料金が発生します。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://abs.twimg.com/favicons/twitter-orange.3.ico" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">developer.twitter.com</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">Twitter API | Products</p> <p class="link-card-description">Use the Twitter API to analyze, learn from, and interact with Tweets, Direct Messages, and users. Scale your access to grow, experiment, and innovate.</p> </div> <img src="https://cdn.cms-twdigitalassets.com/content/dam/developer-twitter/redesign-2021-images/og-social-card/devwebsite_card_tn.jpg.twimg.768.jpg" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://developer.twitter.com/en/products/twitter-api"></a> </div> ハッキリ言って個人の趣味に支払える金額ではありません。[[Twitter]]のAPIは無料版でのマルチポストくらいしか利用できないと言っても過言ではないでしょう。 一方、[[Bluesky]]のAPI利用料はかかりません( #2024/03/01 時点)。[[Rate Limit]]も通常利用では決して超えないような値となっています。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://docs.bsky.app/img/favicon.png" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">docs.bsky.app</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">Rate Limits | Bluesky</p> <p class="link-card-description">Rate limits help us keep the network secure — for example, by limiting the number of requests a user or bot can make in a given time period, it prevents bad actors from brute-forcing certain requests and help ... </p> </div> <img src="https://www.docs.bsky.app/img/social-card-default.png" class="link-card-image" /> </div> <a href="https://docs.bsky.app/docs/advanced-guides/rate-limits"></a> </div> 今後どうなるかは分かりませんが、仮に有料となっても、[[Twitter]]に比べれば現実的な価格で提供してくれることを期待しています。 ### AT Protocolを実践で学べる これはエンジニア以外の人にはあまり関係ないかもしれませんが... [[Bluesky]]は次世代ネットワークプロトコル[[AT Protocol]]のリファレンス実装とも言えます。そのため、[[Bluesky Developer APIs]]を利用することで、[[Bluesky]]の使い勝手を向上させつつ、[[AT Protocol]]を利用した実装経験を積むことができます。 今はまだ世に出たばかりの[[Bluesky]]ですが、もし今後、[[AT Protocol]]が世の中に広がっていき、色々な業務で[[AT Protocol]]に関する実装をする必要性が出てきたとき、こういった経験が役に立つと信じています。 私も、開発中の[[Obsidianプラグイン]]、[[🦉Mobile First Daily Interface]]にて、[[Bluesky Developer APIs]] ([[ATP API]]) を使った[[Bluesky]]投稿機能を実装しています。 <div class="link-card"> <div class="link-card-header"> <img src="https://publish-01.obsidian.md/access/35d05cd1bf5cc500e11cc8ba57daaf88/favicon-64.png" class="link-card-site-icon"/> <span class="link-card-site-name">minerva.mamansoft.net</span> </div> <div class="link-card-body"> <div class="link-card-content"> <p class="link-card-title">📜2024-02-10 Bluesky Developer APIsを使ってみた</p> <p class="link-card-description">BlueskyでMinerva(Obsidian Publish)のOGPによるソーシャルカード作成がうまくいかないため、MFDIなどで見栄えよく投稿できるようAPIの学習を始めてみた。</p> </div> <img src="https://publish-01.obsidian.md/access/35d05cd1bf5cc500e11cc8ba57daaf88/Notes/attachments/activity.webp" class="link-card-image" /> </div> <a class="internal-link" data-href="Notes/📜2024-02-10 Bluesky Developer APIsを使ってみた.md"></a> </div> %%[[📜2024-02-10 Bluesky Developer APIsを使ってみた]]%% ## Blueskyのデメリット 良いことばかりではありません。デメリットもあります。 ### 動画の投稿ができない これは[[Twitter]]と比較した[[Bluesky]]のデメリットでしょう。[[MP4]]はおろか、[[GIF]]もアップロードできません。[[SNS]]で開発物のリリース連絡をするときには動画を多用するので、是非とも対応していただきたい機能の1つです。 ### URLでソーシャルカードや画像を参照できない [[Twitter]]やチャットサービスでは、[[URL]]を本文に含めると、[[ソーシャルカード]]や画像でプレビュー表示してくれますが、[[Bluesky]]にはそのような機能がありません。代わりに、投稿前に[[URL]]に配置されたリソースを取得し、添付ファイルとして投稿します。この手順は手動になり一手間です。[[Bluesky Developer APIs]]を使って自前実装する場合も同様の処理が必要です。 ### 企業の公式アカウントが少ない 情報収集目的でフォローする公式アカウントの数は[[Twitter]]とは比較になりません。[[Bluesky]]にはほとんどない、もしくはあってもほぼ投稿されていない状態です。 今後、[[Twitter]]が更に改悪されれば[[Bluesky]]に流れてくる公式アカウントが増えるかもしれません。また、投稿だけなら[[Twitter]]のAPIも無料なので、マルチポストする公式アカウントが増えてくれるといいなと思いました。 ## さらばツイートの日々よ 私の目から見える[[Bluesky]]の世界は静かです。[[Twitter]]を都会の喧騒と例えるならば、[[Bluesky]]はのどかな田舎そのものかもしれません。 現時点では、ユーザーの規模は[[Twitter]]に到底及びません。しばらくは気にもしない程度だと思っています。それゆえに、無価値な行為を繰り返すbotが野に放たれていることもありませんし、ネガティブツイートを拡散する人たちも目にしません。インプレッション欲しさに見栄えだけの偽り投稿をする人も少ないと思います。 では、そこにいるのは誰か? [[Twitter]]の喧騒に疲れて平和に過ごしたい人や、新たな未来に興味を示さずにはいられない好奇心に満ちた人、昔ながらの過疎ったインターネットの雰囲気が好きな人が多い印象です。私が最近興味を示す対象は[[Neovim]]と[[Obsidian]]ですが、どちらのコミュニティに属する人たちも既に[[Bluesky]]にいらっしゃる印象。フォローはせずとも、[[カスタムフィード (Bluesky)|カスタムフィード]]で打率の高い投稿をのんびり眺めることができます。 [[Bluesky]]に移行したとき、私は[[Twitter]]のフォロワーを再フォローしたりはしていません。何もかも捨てて、キレイに0から始めたかった。[[Twitter]]のフォロワーが本当に必要なのであれば、自ずと何かの投稿をきっかけに再びフォロワーの関係となるでしょう。逆にそこで途切れてしまう関係なら、その程度の関係だったと割り切ることにしています。 **『考えてみれば、リアルでも[[SNS]]でも、関係性のリセットをしたのは15年ぶりくらいかもしれない...』** 半ば義務感のように眺めていた、見るとイライラするような投稿を目にすることも多かった[[Twitter]]。開くたびにワクワクする新規投稿、皆が自分の空間を作り上げ自分の世界感を投稿する[[Bluesky]]。[[SNS]]って楽しいものなんだなと改めて思い出させてくれます。 [[Bluesky]]はまだ新しいサービスであるため、ユーザーの規模や機能の充実度を[[Twitter]]と比較してしまうと、どうしても見劣りする部分があるでしょう。しかし、それこそが逆に[[Bluesky]]の魅力ではないでしょうか。 --- <small>※ 本ページのイラストはAI(DALL·E)により生成されたものです</small> [tadashi-aikawa@Tadashi_MAMAN]: https://twitter.com/Tadashi_MAMAN