[[📒Productivityを上げるために大切な100のこと]] No51. 🥉
----
社会人になってもう10年以上時が経っているが、一貫して気付いたことがある。人は==年を重ねるにつれてプロセスを発信しなくなる==ということだ。
ここで言う`プロセス`には、経緯や行動、考えたことだけでなく喜怒哀楽の感情面も含む。そして==綺麗事だけでなく==**ありのままであること**も重要なポイントだ。
## プロセスを発信しなくなる理由
プロセスを発信しなくなる理由について、==自分の視点から==**他者にプロセスを共有するメリットがデメリットを下回ったから**と考えている。
年を重ねていない頃のメリットはこんなところだろう。
- 状況をリアルに共有することで、他者からフォローしてもらえる確率が上がる
- プロセスが適切でない場合に、他者からフィードバックしてもらえる確率が上がる
- 試行錯誤結果が自身の[[ライフログ]]やノウハウになる
- プロセスが評価に繋がる
単に上長から『逐一プロセスを伝えてほしい』と頼まれているケースも多いかもしれない。ただそれは、上長にとってフォローやフィードバックがしやすいためだろう。
ところが年を重ねるとこの前提は覆される。多くの人はこう考えるだろう。
- 年次や立場から、フォローやフィードバックをしてもらえる確率が低くなる
- 必要性と上長の数という両面から
- 今までの経験をもとに対処できるタスクが増え、[[ライフログ]]やノウハウの必要性が下がる
- 結果だけで評価されるようになり、プロセス共有の価値が下がる
メリットが少ない上に、デメリット(リスク)も出てくる。大抵の人は、当時に比べて影響力が上がっているため**発言に気を遣う**必要がある。その結果、==必須な情報以外は成果だけ共有できればよい (プロセスは信頼を得ているから)==と考えるようになるのは自然なことだ。
## 後進のためにプロセスを共有する
ただ、私はこの考えに対して完全に反対だ。なぜなら、==組織として考えたとき後進のためにならないと感じる==からだ。
通常、良いプロセスなしに成果を出すことは難しい。最近になって、一見非効率に見える[[モブプログラミング]]が流行りはじめた事実がそれを物語っている。つまり、成果を出す人によるプロセス共有は組織強化という面で必要不可欠なのだ。
会社では基本的に社歴の長い人ほど情報量が多い。そのような人が結果だけしか共有しないようになると、大きな[[情報の非対称性]]が発生する。
もちろん、そのような人にヒアリングしてみれば[[情報の非対称性]]は縮まるだろう。いわゆる[[スクリーニング]]だ。しかし、社歴の短い人が社歴の長い人へ自発的にヒアリングするハードルは高い。単なる情報でさえそうなのだから、当人が不要と感じている`プロセス`についてはなおのことだろう。
だから、成果を出す人は自発的に`プロセス`を共有した方がいいと思う。これはいわゆる[[シグナリング]]だ。そして、その情報は多くの人が気軽に閲覧できる環境がいいだろう。[[SNS]]やチャットの個人空間、publicなプロジェクト空間でもいい。==『プロセスを知りたい』と思う人がすぐに閲覧できる==のであれば手段は問わない。
あとはその`開かれたプロセス`を後進が自発的に収集できるかだけだ。こればかりは本人の意志による問題だろう。`開かれたプロセス`の場所を教えたり、その必要性を伝えることしかできない。それでも、==結果だけを見ず、プロセスが同じくらい重要であることを伝え続けているのであれば==[^1]、いつの日か心に届く日もくるのではないだろうか。
> [[ジョジョの奇妙な冒険]] 第59巻より
> ![[Pasted image 20211006134633.png]]
[^1]: 具体的には『結果だけで評価しない』仕組みを構築できているか