[[📒Productivityを上げるために大切な100のこと]] No45. 🥈 ---- プロダクトを開発していると以下のようなことで悩むことがある。 - ある機能を追加すべきかどうか - ある機能が今後追加される可能性を考えるべきかどうか もちろん、その答えはケースバイケースだろう。ただ、私は==作らないが、作れる状態==を目指したいと思っている。 ## 作らない理由 [[YAGNI]] [[XP]]の有名な原則に[[YAGNI]]というものがある。**機能は実際に必要になるまで追加しない方がいい**というものだ。この原則を支持する人はいくつか理由を挙げており、そのいくつかを引用する。 > 後で使うだろうという予測の元に作ったものは、実際には10%程度しか使われない。したがって、それに費やした時間の90%は無駄になる あると便利と思って作った機能はほとんど使われない。だから、『とりあえず作る』はある意味ギャンブルでもある。誤解してほしくないのは、**プロトタイプとして動くモノを作ることは大事**ということだ。==作り込む必要はない==というだけだ。 > 余計な機能があると、仕事が遅くなり、リソースを浪費する > 予期しない変更に対しては、設計を単純にすることが備えとなる。そして、必要以上の機能を追加すると、設計が複雑になってしまう 新しい機能を追加するときにその分だけ、設計や実装の影響範囲を考える必要があったり、既存機能の動作確認や検証をしなければいけない。一度追加して世の中に出した機能は、それなりに長い間面倒見るくらいの覚悟が必要だ。 > コードをすばやく実装するために最も良い方法は、あまりコードを書かないことである。そして、バグを減らすために最も良い方法も、あまりコードを書かないことである 何事もシンプルであることが一番だ。コードの行数が10倍に増えれば、それを読むのにかかる時間は10倍==以上==になる。 ## 作らないと作れないは違う [[YAGNI]]は優れた概念だが、あくまで『必要になるまでは作らない』『過剰な設計をしない』という話だ。将来の必要性を全く想像せず、その時が来たら==既に作れない状態になっている==のでは手痛いダメージになるだろう。 だから設計に関しては、**現在の必要性**と**将来必要になる可能性**を天秤にかけ、どこまで作り込むかの落とし込みが必要だと思う。今は不要だから考える必要もなく、がむしゃらに実装するのではない。[[📗作らないけど作れる状態を目指す]]ようにしたいものだ。 そしてそのような窮地を目指すのに欠かせないのは設計力だ。逃げ道を確保しつつ、今は必要な道を全力で進める..ある種、麻雀のような駆け引きである。そんな設計やプロダクト運用が出来るよう、日々精進していきたい限りだ。